若恋【完】
「りおです。あの、おかあさん?」
「部屋に入って入って!見せたいものがあって待ってたの!」
今日は和服ではなくて、上品な深い碧色のドレス。
スタイルがいいから胸はしっかり出てて、腰は括れていてラインがはっきり出てて…素敵。
ふんわりと結い上げた髪もパールでいくつも留められてて素敵。
アクセサリーも本物ならいったいいくらするんだろうってぐらいすごかった。
「お母さんすごい、」
「あらありがとう、りおさんは今日は振り袖なのね?」
かわいいわ。
「こんなに可愛いんだもの盗られたら大変だわ」
いやいや、わたしを誰も盗んだりできないですってば。
「あ、パーティー始まる前にこれを渡そうと思ってたの」
一旦奥の部屋に行き、向こうの方から紫色の小さな小箱を手にしてきてわたしの前に差し出した。
「わたしが嫁いできた時に亡きお母さんから頂いたものなの。開けてみて」