若恋【完】
「わたし奏さんに頼んでみる」
「あ?」
「彼女たちを祖国に逃がしてあげて体を売るような生活をしないように仕事を紹介したいの」
「それは―――大丈夫だと思うが果たしてそんな簡単にあのふたりが納得してくれるか?下手すれば、持ってるチャカであの世行きだぞ」
仁お兄ちゃんは顔をしかめた。
「でも、わかってくれるってわたし信じてるから」
信じたい。
誰が好き好んで刺客なんてやりたいと思うの?
奏さんにも仁お兄ちゃんにもわたしの気持ちをわかって欲しかったからまっすぐに見つめた。
だけど。
「りおを危険な目に合わせるわけにはいかねえ。若に知られたら俺が消される。なんでそんなことを知ってたのに止めなかったんだってな。
りお、おまえが思うよりも若はおまえのことには敏感だ」
却下された。
「お願い、仁お兄ちゃん」
「駄目だ。危険すぎる」
「でも!ふたりを説得できるひと他にいない」