若恋【完】



「りおさん、」



榊さんがわたしを強い瞳で促す。



最期なんですよ。


無言でわたしが動くのを待っている。




ふら。


足が勝手に前に出る。

引力に引っ張られるみたいに白木の棺の前に。






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