若恋【完】


奏さんと玄関まで行くと、毅さん、前広さん、一也さん拓也さんみんなが待っていて、それぞれに買ったっていう御守りをわたしにくれた。



「これ…」

みんなが手渡してくれたカラフルないろんな安産の御守り。

中には何故か家内安全っていうのもあったけれど。


奏さんとわたしの赤ちゃんが無事に生まれてきますようにって、みんなの気持ちがうれしくて思わずうれしくて涙が出て目尻を拭う。



「りおさん、元気な赤ちゃん産んでくださいね」

「かわいい子を頼みます」

「りおさんのように、優しい子を、」

「若に似た子を頼みますね」



それぞれの想いをもらい、

「ありがとう、みんな」



玄関につけられた車に奏さんと乗り込み、みんなに見送られて屋敷を出発する。



今度、屋敷に戻ってくる時は、わたしひとりじゃなく、ふたり。


奏さんとわたしと赤ちゃんと3人だ。




―――3人なんだよ








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