若恋【完】
わあ!
用意された部屋は薄いピンクの壁紙で、かわいいタンスや赤ちゃんが眠る小さなベッドもあって、そばには奏さんが休むソファーベッドもあって快適そうだった。
「りお、今は痛まないのか?」
「うん」
みんなが見送ってくれて車に乗ってから陣痛は止まった。
ケロッとしてるわたしを見て不思議そうな顔をする。
「そうか…」
そう言って奏さんがわたしの座ったベットの隣に腰かける。
ギイ
ベッドが軋む。
「りお」
ポニーテールを結ったわたしの額に口づけ、うなじにも口づける。
「りお」
唇と唇が重なり熱いキスを交わす。
「…奏さん」
深くて激しいキスに息が上がる。
奏さんの袖口を掴んで甘い吐息を逃がす。奏さんに応えるのがこれで精一杯。
「!」
突然に再開した陣痛はさっきよりもずっと強い。
さっきのが生理痛の重い痛みなら、再開した痛みは股に杭を打ち込まれたくらいズンとしたものだった。