若恋【完】
「腹ん中のガキ、俺に嫉妬してやがるな」
口の端だけあげて笑み、急に陣痛が強くなって顔を歪めるわたしの腰を擦った。
時計で計るとまだ間隔はある。
まだまだこれから先は長そうで。時計を見てため息をつく。
「大神さん、こちらへ」
看護師さんに連れられて一階の小さな部屋にふたりで入ると、
「これで陣痛の波と、赤ちゃんの心臓の動きや負担がわかるのよ」
ベルトのようなものを巻き付けられて機材のスイッチを入れた。
ザッザッザッ
ザッザッザッ
コンピューターに曲線が表れデータが録られる。
「へえ」
「、奏さん、いたい…」
次第に間隔は短くなる。
15分間隔だったのが、10分間隔になり。