若恋【完】
小さな命の誕生を喜ぶ。
「まあ、元気な男の子だこと。さあ、きれいになってママやパパに抱っこしてもらいましょうね」
元気に泣き声をあげた赤ちゃんのそばには、わたしが信頼を寄せた二神先生がにっこり笑って立っていた。
「…先生、ありがとうございます」
「大神さん、すごくいいお産でしたよ。頑張りましたね」
眼鏡の奥で瞳も煌めいていた。
「さあ、どちらに似てるのかしらね」
師長が赤ちゃんを抱いて連れてきてくれた。
見た瞬間に。
―――ああ
奏さん、本当に奏さんにそっくりだよ。
奏さんが生まれたばかりの頃ってきっとこんな感じだったのかな?
ほら目元なんか全く同じだよ。
鼻筋が通ってて賢そう。
唇だけ薄くてわたしに似てるかな?
恐る恐る触れる。
柔らかくてふわふわ。