若恋【完】
いつまでだって見つめていたい。
いつまででも抱いていたい…
この小さな命を守っていきたい。
大事なわたしの赤ちゃん。
奏さんとわたしの赤ちゃん。
「りお、よくやったな」
「…奏さん」
いつの間にそばに来ていたんだろう?
奏さんが目を潤ませてわたしを見つめていた。
「よくやった」
「…奏さん、男の子だよ?」
「ああ、でかしたな」
「…奏さんにそっくりなの。見て」
少しの間だけ赤ちゃんを抱かせてくれるって、師長さんが言ってくれてたから、奏さんに抱かせてあげたかった。
「奏さん、見て」
廊下に元気な声は届いてた?
その天使だよ?
「そっくりでしょ?奏さんに」
「………」
「…奏さん?」
わたしから顔を背け、袖で顔を拭いた。