若恋【完】
「夕方6時からだよな」
仁お兄ちゃんが確認する。
「身内だけでやるからな、りおが動けない分、榊、おまえが仕切ってくれれば助かる」
「もうすべて整ってますよ。りおさんの手を煩わしたりしません」
「そうか、頼むぞ」
にっこり笑う榊さんに、奏さんの機嫌はますます良くなった。
「榊さん、仁お兄ちゃん、ありがとう」
いつも本当に奏さんを支えてくれて、わたしをも気遣ってくれる。
わたしがお礼を言うとふたりは、
「わたしたちだけじゃないですよ。みんなが若とりおさん、坊っちゃんに会えるのを楽しみに待ってます」
うんうん。
頷いてる。
「若、組長と留恵さんからお祝いが届いてます」
「兄ふたりからもな」
「りおさんの御家族も早めに来るそうです」
賑やかになりますね。
榊さんがミラー越しに肩を揺らして笑う。