若恋【完】
「ちくしょう、どこへ行った!」
「いねえ訳がねえ。探せ!!」
柄の悪い連中が叫び声を上げ、わたしの前を走ってく。
「いいか、逃がすな!!見つけたら殺れ!!」
怒号が飛び、派手な車から降りた男たちの声が遠くでした。
「いたぞ!」
柄の悪い連中は引き返し、向こうからこっちに向かって走ってくる。
目を上げるとわたしの目の前にさっきの人が。
「若、挟まれましたね」
「どうする?奏?」
「仕方ねえな。最期まで暴れてやるさ」
目の前の3人はギリと歯を噛み締めた。