若恋【完】
「笑ったのはりおさんのことじゃありません。若が夜中に裸で現れたことを思い出しただけで」
えっ?
「りおさんを守れと告げにきた。ただそれだけのことですが」
ええっ?
ええ――――っ?
笑う榊さんの言葉に顔から火が吹き出した。
それって……それだよね?
「よほど嬉しかったんでしょうね。いつも冷静な若が、裸で……」
通りで、一階に常駐してる前広さんや毅さん、拓也さん、一也さんが、朝わたしを見ると顔を赤くして目を反らしたわけだ。
やだ、もう…
「昨夜は辛かったでしょう、体は大丈夫ですか?」
「~~~~~~」
恥ずかしくて恥ずかしくて、穴があったら入りたくて俯いてしまった。
耳まで熱い。
「意地悪しすぎましたね。さあ屋敷に戻りましょう」