若恋【完】
屋敷に戻って、二階へ上がると最近忙しそうにしていた奏さんが、わたしより先に帰ってきてソファーに座ってた。
「今日はお仕事終わるの早かったんだね」
そう言って、近くに寄ると制服を着たままのわたしの腕を引いた。
「…いや、今日は気になることがあって仕事切り上げてきた」
手を引かれるままに奏さんの隣に座る。
「体はつらくないか?どこか痛むとこはないか?」
「……少し、だけ」
「どこだ?」
ピクッ
耳に奏さんが囁くように話して、そしてわたしの首筋に顔を埋めた。
「あの、その、ま、待って!」
「待てねぇ。おまえのことが心配で仕事が手につかなかった」
手が器用にわたしの両腕を頭の上に束ねて、もう片方の手で制服のブレザーのボタン、ワイシャツのボタンを外していく。
奏さん待って…
声にならない。
甘い吐息のキスが頬に触れた。