若恋【完】
待って、奏さん…
「おまえのことになると余裕がなくなる。好きだと告げられても不安で仕方ない」
ぎゅっと抱き締められた。
「榊が言ってたんだ。りおさんは本当に可愛らしい方ですねって。りお、おまえ、榊に色目使ったな?」
そんなわけない。
「仁は何も言わないがずっとおまえを見てる。
みんながおまえを狙ってる―――不安だ」
くちびるが触れる。
恥ずかしくて仕方ないのに逆らえない。
力が抜けてく。
ゆっくりと時間をかけて触れていく。