の行方と風の向き【短編】

2年1組の教室での、ホームルームにて…


担任の小林先生が、葉月ちゃんを連れて、教壇の前で話し始めた。

『は〜い!!注目!ほらそこ!大輝くんも聞いてちょ〜だ〜い!!』


『ォホンッ …え〜実はみなさんにとっても、そして葉月ちゃんにとっても悲しいお知らせがあります。』


『実は葉月ちゃんは、お父さんのお仕事の都合でハワイに引っ越す事となりました。』

『えぇ〜!!!!』

みんな一斉にブーイングの声を荒げた!

そして、葉月ちゃんは下をむいたまま、落胆の表情を浮かべていた!





ブーイングの後、しばらく沈黙か続いたが、
『ハワイって何度もいったよ!飛行機で7時間くらいだから、ちょっと遠いけどね!』

金持ち大輝が沈黙を破った が、空気を全く読んでないその発言が、さらにその場の空気を重くさせていった…



小林先生:
『まぁ〜でもね、みんな家族で行く訳だし…それに海外暮らしなんて素晴らしいじゃな〜い♪』


先生の一言も、大人の都合でしかなく、子供を勇気づけるには、余りにも子供じみていた!



元気がここで口火を切った!


G:『ねぇ〜! はづちゃん!』

『最後に何か僕らができるはんいでやってほしい事とかない?』

『…』

葉月:『…?…』


G:『えっ な〜に?』

H:『…何もいらない…ただ』

G:『…ただ?』

H:『もう一度…が見てみたい!』

か細い声で葉月ちゃんはみんなにできっこないのに、それをわかってお願いをした!

『…ん?』

先生ももう一度聞き直した…


H:『もう一度…雪が見てみたい!』
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