の行方と風の向き【短編】

2年1組のクラスはやはり半分近くの生徒が欠席をしていた。
特に、女の子の休んでいる数が多いように思えた。
いつもなら30人近い生徒がいるのだが、総勢16人しか来ていなかった!

精神的に相当参ってしまった子もいただろう!

しかし大地くんは、一番ショックを受けたにもかかわらず、登校をしていた…

ひょっとすると家にじっといる方が、辛いのかもしれなかった…

大地くんは休んでいる子の空いた窓際の席に座り、窓の外の景色を見るともなく眺めていた…


そんな中、大輝だけはいつものノリで、黒板に金曜日の様子を描いていた…。


元気はバンッと机を鳴らして立ち上がり、その悪ふざけがすぎる絵を黒板消しで、黙って端から消していった…。

大輝は元気に文句を言おうとして振り向き…はしたが、元気の目力に圧倒され、…何も言わずに自分の席に戻っていった!



しばらくすると小林先生がプレハブ教室に入り、
『きり〜つ!』の掛け声の後、いつものように挨拶を交わした…そしていつもなら立ち上がったまますぐに授業に入るのだが、今日は着席をして、金曜日の事について話し始めた…。
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