の行方と風の向き【短編】

〜マームとの別れ

…ここにいる生徒は、実は全員が自分の神様が見えていたのだ…


大輝も叫んだ、マリオに助けられた大地も叫んだ!

そして元気の腕の中で奏ちゃんが、天使の名を『…ヒーロ』とつぶやいた時、元気も我慢ができなくなり、ついに…約束を破った!





『マームー』





(『マームー!!』の文章と同時になるようにバイブを5秒間を入れる)

16人の天使が最後の力を振り絞り、天使の力を一つに集結した!


あるものは念力で、又あるものはその小さい体をボディーに体当たりさせた。 それぞれの天使は羽をもぎ取られながらも、それを繰り返していたが、このままでは教室に落ちると判断したマームは、なんと念力に加え、ヘリコプター上部のタービンの根元に照準を合わせ、自らの体を巻き込ませた…

ヒーロもその後それに続き、16人全員の天使がタービンの部分に…跡形もなく姿が…消えた…





子供達は、ヘリコプターに小さい体一つで命を投げ売って闘っているその姿を見て、恐怖の奥では、強い意思と勇気をもらっていた。

そして、一人一人の天使が、一人一人の生徒の視界から見えなくなった時…

ヘリコプターはバランスを崩しながらも、グラウンドに叩き付けられるようにして、何とか無事に着地できた!





ベテラン操縦士は生徒達を恐怖に陥れたが、一人も外傷なく、何とか無事に降り立つ事ができたので、胸を撫で下ろした!



小林先生はボサボサの髪の毛や、ずぶ濡れになって乱れた洋服など一切気にする事なく、生徒達をしっかりと抱き抱えていた。



2年1組は、災難続きだった…が、そのかわり子供達は確実に、成長しているようだった。



16人の生徒は、恐怖によってこの場での記憶が消えたが、強い意思と勇気だけは、潜在意識として残った…!
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