の行方と風の向き【短編】
お母さん:
『元気〜 早く起きてらっしゃ〜い!』
元気:
『は〜い! 今いくよ〜!』
マーム:
『ちょ、ちょっと待ってっ!』
『僕は君にも見えない… いや、見えているようだけど他の人には絶対に見えないの…! …だからお願い僕の事は誰にも言わないで!』
『…』
『…』
元気が返事だけで中々下りてこないので、お母さんは足早に階段を上り、部屋にはいってきた。
『…ガチャ』
元気:『…』
G:『…お母さん…』
M:『…(お願い…)』
G:『…』
母:『おはよう…又、そんなふうにふとんをかぶってる〜!早く朝ご飯食べないと学校に遅れるわよ〜!』
お母さんは、両手を合わせてお願いをしている机の上の天使に全く気付くそぶりも見せず、その机の上のカーテンと窓を開け広げ、又忙しそうに階段を駆け降りた!
お母さんには、本当に何も見えていなかったようだ…
(…なんか悪い人(天使?)じゃなさそうだし…、もしそれが本当なら神様から、両手を合わせてお願いをされた訳だし…)
とりあえず様子が解るまでは、元気は誰にもしゃべらないと約束をした…