の行方と風の向き【短編】
〜学校からの帰り道〜
マーム:
『…ねぇ〜元気くん』
元気:『…ん?』
M:『…約束守ってくれてありがとう!』
G:『子供は大人とはちがうよ…自分で決めた約束事は守るもん!』
元気は遊園地に行く約束を、大人の都合でキャンセルしたお父さんを思い出しながら、少し口を尖らせて話した。
G:『それよりどうして急に僕の前にあらわれたの?』
M:『それは違うよ元気くん…僕は君が生まれて、病院から帰って来たその日からずっと、君の傍にいるんだ…』
G:『じゃ〜どうして今まで姿を現さなかったの?』
M:『…そ それは今まではその必要がなかったからさ…うん…』
G:『じゃ〜その必要が今はできたという事?』
M:『…と、とにかくほら、これからも僕が君の傍にいるから大丈夫! 今まで以上に君を守って見せるから! 安心して!』
M:『それから、これだけはこれからも、約束して!』
G:『…』
M:『絶対に他の人には、僕の存在を知られないようにする事』
G:『大丈夫だよ!…僕、子供だもん…』
M:『ありがとう! 絶対に約束だよ! それとこれからは君づけをやめて…‘元気’と呼んでもいい?』
G:『いいよ、マーム!』
二人はその後も誰もいない公園で長話をし、旧友のように打ち解けあい、仲良くやって行けそうな感じがしていた…
これからの何日間かは、特に何をやるにも二人で協力しながら、過ごしていくのだ!
…いつ何時(なんどき)も…何があっても…
風の向きによって雲が流れ、その方向は風にしかわからなかった!
…運命の日まで、後9日前後…