の行方と風の向き【短編】

今日も元気に、元気は学校で過ごした!

学校は元気にとって最高の場所であった。クラスメートのみんなと遊んでいる時が、人生最良の時間だった。 大人もかつてはこうだった。 たとえ10分の休み時間でも、時を忘れ無邪気にはしゃいだものだ!
それが大人になった今は、10分の時間があれば、体を休める事以外考えられなかった。
やはり子供は時間の使い方の天才だ…しかも、子供の一日は長かった!
大人の一日はあまりにも短い!


一年がとても長く感じられるのは、思春期の若者か子供達だけだ!

例えば、5才の子供が1年を過ごす場合、その1年は人生のうちの2割にあたり、相当な比重をもって1年を過ごす訳だが、それが50才の中年になればその人にとっての1年はたったの2%にしか値しない!
5才の子供と同じ1年を感じるには10年分必要になってくる計算だ。
当然、たいした1年には思えないし、1年が昔に比べてどんどん早く感じるのは仕方のない事だろう!



そして元気にとっての長かった今日一日も、何事もなく終わった…



風がきままに向きを変え、雲はそれに従った…
運命の日まで後、8日前後…
< 7 / 31 >

この作品をシェア

pagetop