の行方と風の向き【短編】
一匹の犬が又、人に向かって吠えていた…
みんながここを通る時、誰彼構わずこの番犬は吠え立てるのだ…。
それは近所に住んでいて、毎日のようにここを通る元気とて、例外ではなかった…
元気にとって唯一の天敵だった。
そして、恐がりのマームにとっても天敵だった。
今日も学校からの帰り道、クラスメートの犬好きな大地くんの家の前を、通る瞬間がやってきた…
もっと鎖を短くしてくれれば、もっと楽に通れるのに…
『ウ〜…』
元気、マーム:
『せ〜の!走れ〜!!』
『…♪』
G:M:
『フ〜』
今日は、初めて吠えられる事なく難関を乗り切り、意気揚々と帰途についた。