太陽と星

信頼と不安

地元に帰ってきた三人は

コンビニでジュースを買って

今日の楽しかった1日を思い返していた


ただ真琴だけは顔は笑っているものの

やっぱり内心穏やかではない


戻ると言ったのに戻らなかった薫・・・

これだけ連絡がないのも初めての事だった


ユカリは気を遣って晩ご飯に誘ってくれた

親に了解をとって遠慮なくお邪魔する事にした

奈央は親の許しが得られず

仕方なく帰って行った


(もう考えるのは止めとこ!

よっぽどの事があったんやろう・・・)


ほどなくしてユカリの家に着き

玄関を開けるとカレーのいい臭いがしている

急にお腹がすいてきた


「ただいま~! 真琴も来たよ~」


ユカリの母が現れ

「あぁ~真琴ちゃん いらしゃい!

ちょうどカレー炊けたとこやねん 食べてって!」

そう言って微笑んだ


旦那さんはまだ帰っていない

三人でカレーを食べながら

ユカリの母が喋り出した


「今日ね~あんたらぐらいの子かな~

女の子の方はもうちょっと大人っぽかったけど

二人で中絶の手術受けに来たんよ~」

と今日の出来事を話し始めた


娘に気をつけなさいと言う意味も含めて

病院での話などを良くユカリは聞かされていた


「それでね~この辺の学校の子と違うと

思うんやけどどっかで見たような気がするんよ 

あの男の子」

そう言われると知りたくなる


「可愛い顔してたよ! 

写真か何かで見たんかなぁ・・・」


そう言って台所で洗い物を始めた


ユカリは部屋からアルバムと

最近の写真を持ってきた

「おかあさーん!写真見てみる~?」


母親は暫く考えながらアルバムを見ていたが

思い当たる顔はまだ無い


アルバムを閉じ 

最後にまだ整理されていない

バラバラの体育祭の写真を見て

ある男の子を指さした!



ユカリと真琴は氷付いた・・・



母が指さしたのはピースサインをして

みんなの真ん中で笑っている


『薫』だった・・・

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