太陽と星
大きな総合病院に着いて簡単に

受付をすませた


事務員さんも看護婦さんも

みんな顔なじみになった



(もう1年半も毎週金曜日に

現れる見舞い客なんて

珍しいんやろうな…


身内ならともかく

私はただ『友人』という存在でしか

ないんやから…)



静かに病室の戸を開ける



そこには今でも愛してやまない

薫がいる



「薫~来たで!!

今日は6月12日の金曜やで」


返事はない…



「今日な!現社のテスト返ってきて

もう最悪~そう言えば薫は

歴史だけ得意やったでな~(笑)」


返事はまだない…





そう……

   愛しい薫は意識がない



交通事故で一命は取り留めたものの


医師の診断は残酷だった



「脳死状態です…

回復の見込みは1%足らずです

現在の医学では、これが限界です」


今後医学が飛躍的に進歩し

世界水準の先端医療で治療が進めば

希望はまだあると……



それまで  


 祈るしかなかった…

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