太陽と星

自責と後悔の日々

その日薫はあまりノリ気ではなかった

でも仲間との約束

・・・そうバイクは止めると

真琴に誓う前からの約束


薫がローソンに着くともう殆どの

メンバーが集まっていた


「おぉ~薫来たで~!」

「もぅ~遅いやん!」


文句を言いながらも嬉しそうな女の子たち


冷えた身体をカップラーメンで

温めいざ出陣!


其々のバイクが爆音をあげ一斉に走りだした


バイクに跨がれば一気に心は躍る

その一瞬だけ真琴の事も忘れ

風と一体になる


大阪府内の各名所を廻り戻ってきたのは

もう明け方近かった


この仲間たちはあまりマジメに

学校には行っていなかったので

まだまだ元気だ


でも薫は疲れていた

クラブでも一生懸命だったし

この所のテスト勉強で

かなり寝不足だった


今までだったら朝が来るのが

寂しかったが

今日の薫は『解散』の言葉を聞いて

どこかホッとした


仲間と別れて家に向かって走り出す

早く帰って少しでも寝ようとバイクを飛ばした


一瞬の油断だった・・・

交差点を直進する薫のバイクの前で

一台の冷凍車が無理な右折をした


薫が悪いのではなかった


しかし身ひとつの薫の身体は

簡単に吹き飛ばされた


メットもない頭を

アスファルトで強打した


すぐ救急病院に運ばれ緊急処置を受けた

一命は取り留めたが深刻な状況・・・



真琴が駆けつけた時には

意識不明の状態だった
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