太陽と星
第5章 喪失

拓との未来

「拓~お母さんに電話せんでいいの?」


「ええよ!毎年こんなんやし」


シニア時代から正月は

壮太の家でお世話になっているので

今日もそうだと思っているらしい


「それか俺の家来る?」

突然の提案に戸惑う私…


「俺一人やから寂しいんか

はよ彼女連れて来いってうるさいねん」


「え~でもお父さんも居るんやろ?

何か緊張するし…」


「おとん、居てないで!

アジアのどっかにずっと出張中

なんやダム作ってるらしいわ~」


拓によると大手建設会社の父は

発展途上国の子会社を回って

ダム建設の指導をしているらしい…


「気つかわんでいいで!

おかんも天然やから」


もう行く気になっている


私たちはリビングに下りて行き

母に拓の家に行くと告げた


父はおとそが回ってもう寝ている…

拓の父に比べこんな父が

少し恥ずかしかった(笑)


挨拶して出て行こうとする私たちに

母がこう言った


「今日は真琴一人で帰ってくるの?」


私はこんな母も恥ずかしかった…




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