太陽と星

恋の予感

2年生として新学期も始まり

平穏な高校生活に戻っていた


相変わらず野球部の練習は厳しく

拓たちはへとへとで家路に着く


今日は途中で降り出した雨のため

練習は早めに終った


放課後になると連日のように

ファンの女の子にアドレスを聞かれた


そんな時拓はいつも

『ごめん、俺携帯持ってないねん…』


そう言って断っていた


そんな拓に恭二が言った


「拓ちゃん~もったいない事すんなぁ!

今日の最後に来た子可愛かったやん」


派手なギャル系…

恭二のタイプの女の子だった


「俺今んとこ女に興味ないから…」


「そんな事言わんとたまには

合コンも参加せえよ!」


「お前はもうちょっと自重せえ!」



康平がそんな二人の間に入った


「あれっ!?あの子傘ないんかなぁ?」


前からロングヘアーの長身の少女が

こっちに向かって歩いてくる


まるで雨など気にする様子もなく

強い足取りで…




すれ違いざまに拓が自分の傘を渡す


「えっ?」

突然差し出された傘に戸惑う彼女


「俺駅からすぐやし…返さんでええから

持っていき…」


そう言って彼女に傘を持たせ

自分は駅までの道を走りだした



これが“夕貴”との出会いだった

              
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