太陽と星
入学して一ヶ月ほどした

ある日の朝…


寝坊して毎日の電車より

2本遅れてしまい

ギリギリセーフで乗り込んだものの…


少しでも空いた車両など

いけるわけもなくて

もう顔も髪もグチャグチャ


壊れた目覚まし時計を

今さらながらに恨んだ


その上快速の駅で止まる毎に

さらに駅員は客を詰め込んだ


やっと扉が閉まり動きだした瞬間…


ガタっと電車が揺れたその時

私のおしりに何かが触れた



(え~~~!!!

まさか、これが痴漢???)


初め手の甲の部分で触れている

感じだったが

段々エスカレートしてきて

今や手の平で完全に触っている


こんな冷静に分析してる場合やない!

その汚らわしい手を掴んで

大声で言うんや!


小さい頃から空手を習っていたのも

こんな時に備えるため!

そう真琴、勇気を出して…



出ない…声がでない!

気は強いはずのこの私が痴漢に触られ

悔しくて気持ち悪くて

下を向いて我慢している



しょうがない…

次の停車駅までの我慢や

< 3 / 357 >

この作品をシェア

pagetop