太陽と星
写真の整理も殆ど片付き 

私はその写真たちにコメントを書いていた


山下はこんな心使いを喜ぶ


やはり最後のリレーのコメントには力が入った

薫がテープを切った時の写真に


“我がクラスのヒーロー 

ゴールの瞬間!!!
      
これでD組は救われた・・・”


とコメントをいれた


夢中になっていた私は近づいて来る人影に

気付かなかった



「何してんの~?」

顔をあげれば目の前に薫がいた


私の顔も見ないで 

机の上の自分の写真を見て


「やっぱ俺ってカッコいいよな~」

とふざけた事を言っている


「どうしたん・・・?」

私が聞いても


「べつに何も~~!」

と言って椅子を持ってきて私の前に座った


膝に包帯をしている


きっと練習中に怪我して保健室で手当てして

貰って来たのだろう


「俺の写真ばっかやし・・・

まさか俺に惚れた!?」


そんな事有り得ない筈なのに

ドキドキと心臓の鼓動が煩い 


「はぁ~!? 私彼いてるし!!

たまたま体育祭で活躍したから・・・」


っと顔をあげた瞬間 

素早く唇を奪われた・・・


そして呆然とする私に平然とこう言った


「俺のお陰で救われたんやろう?

その時のお礼 

まだしてもらってなかったし!」



そう言ったかと思うと

甘いコロンの匂いだけを残して

何もなかったように教室を出て行った


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