太陽と星
放課後の教室

当たり前だが二人しか居ない


グラウンドから微かに運動部の

練習する声が聞こえてくるだけ


今日は薫のいたクラブチームの後輩が

体験入部でこの学校に来ているらしい


(あかん・・・めっちゃ意識してしまう

でも今を逃したらこんな機会は

二度とないかも知れん・・・)


ドキドキの真琴をよそに

薫はサッカー部員や後輩たちに

大声で叫んでいる


「しっか練習せえって~~~!!!」

そんな薫の姿も大好きだ


「今のん完全ミスキック!涼介グランド2週や」

っと後輩の一人にダメ出ししている


だが彼らのほうも黙っていない

「薫先輩 サボりっすかぁ~~~!?」


「俺は今デート中!邪魔しにくんなよ~」


(???何でデートよ!

そんなん言うたら

余計意識してしまうやんか・・・)


でも真琴はこの空間が心地よかった


大好きな薫とずっとこうして居たかった

もうこの気持ちを止める事はできない・・・


真琴は立ち上がりポツリと言った


「・・・薫の事ずっと好きやったねん

つきあって欲しいんやけど・・・」


ドキドキの私とは正反対に冷静な薫は

少し寂しげな表情でこう言った


「俺って色々あるで!

真琴に俺のすべてを引き受けられる?」

少し意地悪な表情


深い意味を考えられる程

真琴は冷静ではいられなかった


「大丈夫!私が薫のすべてを引き受ける・・・」


突然 薫は窓のカーテンを引いた


そのまま真琴を抱きしめると

頭がクラクラするような

情熱的なキスをした・・・


初めての時とは全然違う

キスだけでこんなに幸せな気分になれるんだ


二人の顔が離れ

恥ずかしくて俯く真琴にこう言った


「ずっと俺の傍から離れんとってな・・・」


今度は可愛い少年の甘える様な顔で・・・



この時私はこの笑顔を一生かけて守る


そう心に誓ったんだ・・・

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