太陽と星
今日は待ちに待った打ち上げの日

私と薫はユニバーサル行きの

電車に乗っていた


ユカリと奈央が気を利かせてくれたのだ


春休みという事ですごく混雑していた

色んな人が乗っていた


顔の知られている薫は

あちこちで声を掛けられる

ヤンキーっぽい子は男でも女でも大概

薫の事は知っていた


私の知らない薫がいるようで

少し寂しかった



USJに到着した

ユカリや奈央ももう着いていた


4人揃って入場券を買いゲートを入った時

薫の携帯が鳴った


(誰か遅れて来るんかなぁ・・・)

そんな事しか思いつかない


でも薫の顔を見ると少し様子が変だ
 
後ろを向いて小声で何か言っている


「わかった・・・」

そう言って電話を切った後

さっきの心配そうな顔ではなく

今度は笑顔で


「悪い!急用や~一回帰るけど

また戻ってくるから適当に廻っといて!」


薫はもう決めている 

止めても無駄だろう


「真琴が浮気せんようにユカリら頼んどくで~」

そう言って今来た道を走って戻って行った


(せっかく楽しみにしてたのに・・・

急用って何よ!)


私は薫が理解出来なかったが友達の手前

気を取り直して楽しむことにした


(そのうち戻ってくるやろう・・・)

そんな軽い気持ちで



この『急用』がこの先私の心の中に

大きな影を残すことになるなんて


思っても居なかった・・・


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