ささめき
彼女が幸せになるのは素敵なことだ。でも一緒に幸せになるのがいいに決まっている。彼女がよく言うのは、「私が幸せならあなたはそれでいいでしょ」と。極言すれば私がどんなに犠牲になろうが、悲しみにひたろうが関係ないということだ。それはお母様に対しても同じで、「私が幸せならお母さんはそれでいいはず」と言う。愛する者の想いが分からないのだろうか。孤独を感じる。共に縁側に座って薔薇園を眺めながら穏やかに時間を過ごす。私はそういう幸せを望んでいる。それを望むのは贅沢なことなのだろうか。
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