危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜
そしてお昼休み。


私は購買で買った、たったひとつのサンドイッチも食べ切れず、パックの苺ミルクをひと口すすり、「ハアー」と溜め息をついた。


「食欲ないの?」


「うん……」


「急いで食べちゃうから、ちょっと待ってね」


純ちゃんは、綺麗にトッピングされたお弁当と格闘中だった。


「慌てて食べると、ご飯が胸につっかえちゃうよ? 食べながら聞いてくれる?」


「うん、そうして?」


「あのね……」


私は、朝よりは気持ちが整理出来ていて、金曜の夕方から昨日の夜までの出来事を、要約して淡々と純ちゃんに話した。


純ちゃんは、目を丸くしたり、顔をしかめたりしながら話を聞いてくれたけど、


「サトルのヤツ……」


私が話し終えて最初に発した言葉は、それだった。


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