危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜
一方私は、今年の春に薬学部の大学を出て、難関だった大学病院の薬剤部へ就職した。

学ぶべき事が多く、想像したよりもハードな業務だけど、医療の最先端に携われる事で、この仕事に私はやり甲斐を感じている。


大学の4年間は大変だった。いつも実験や研究のレポート書きに追われていた気がする。


涼もサッカーで忙しく、ゆっくりデートする時間はなかなか取れず、それでも寸暇を惜しむように、短時間でも会うようにしていた。


涼と私は互いに励まし合い、認め合い、例え会える時間が少なくても、変わる事のない愛を育んで来たと思う。


私の就職が決まった時、涼は自分の事のように喜んでくれた。それは私が必死に努力して来た事を、誰よりも涼は知っててくれたから。


だから私も、涼の飛躍を喜んであげなければいけない。それは分かっている。分かっているんだけど、涼と離れたくないと思ってしまうのは、私の我が儘なんだろうか……


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