Glacial HEART [短編]
「……やだ…?」
すこし大人しくなって不安げに湊都は聞いてくる。
「いやって…わけじゃないけど…」
私から出たのは、そんなふわふわした言葉。
「ほんとに〜?!じゃあ今からはともだ…」
「待って!!」
このままじゃ湊都のペースに流されちゃう!
と思った私は急いで制止した。
元々ここで友達を作るつもりはなかった。
しかも男だなんて論外だ。
友情なんてただでさえ脆い関係なのに、相手が男なんて…
それに、いつまた転校するかわかんない。
何か言いたげにしている湊都に、あえて気付かないふりをして私は話を続ける。
「待って。ほんとに…私と友達になりたいの?
きっと湊都が思ってるような子じゃないよ?それに…すぐ転校するかもだし…」
だから、考えなおして?
私になんか興味ないでしょ?
今は転校してきたばっかりだから珍しいかもしれないけど、きっとすぐに飽きちゃうよ?