Glacial HEART [短編]
「……。」
「リアクションとりにくいよね。ごめん…。」
だって、いつも明るい湊都が黙っちゃってるし。
「小学校…3年生の時にね?父親が浮気してるのわかって。それが私が幼稚園のときからだ、って言うから驚きだよね!で、当然、離婚。」
そんなに長い間、私たちを騙してた。
「それからは、色んなとこを転々としてたんだけど。今年になってやっと、お母さんの実家に帰ることになったの。」
「それが…」
「そう。北海道。
でも、離婚してから初めて帰るわけだし、私を養っていかなきゃいけない状況は変わんないし。
お金稼がなきゃって、離婚するまで専業主婦だったのにずっと頑張ってくれてた…っ」
「…?綺夜…?」
あーぁ。なんか涙出てきそう。
「…大丈夫?」
「…うん。
それで…急に体調崩して…死んじゃったんだ。」
もう過ぎたことなのにね。