Glacial HEART [短編]
波
そんな話をしたからかさっきから湊都がやけに暗い。
やっぱり言わなければよかったかな?
「湊都、ごめんね?変な話しちゃって…」
返事がない
「―湊都?ねえ?」
そういって肩を叩いたら、急にハッとしてこっちを見た。
「大丈夫?湊都…。なんか悩み事?」
「いや、なんでもないよ?」
また、いつもの湊都に戻ったから。
私は前から思ってたことを聞いてみることにした。
「そう?ねえ、ひとつ聞いていい?」
「うん、何?」
「湊都って、彼女いないの?」
聞いた瞬間、驚いた顔をして
慌てて「いないよ…!」って答えた。
「じゃあ好きな人は??」
「…ちょっと待った;!なんでそんなこと聞くの!?」
って、真っ赤な顔で返された。
「あ…ごめん!ただ、彼女居たら私一緒に居ちゃ迷惑だろうし…。好きな人には誤解されたくないかなって」
怒ったかな?
調子乗りすぎた…。
深入りしないって話したばっかなのに。