Glacial HEART [短編]
「―離して…湊都。いきなりどうしたの?」
何しに来たのよ。
「どうしたのって。…綺夜が、泣いてたから」
―いいのに。
別に私が泣こうと関係ないのに。
「いや…泣いてないよ?
何言ってんのっ!
あ、あと今日は、やっぱり先に帰ってくれる?
ごめんね、散々待たせ・・・」
って、言い終わらないうちに
「そーゆー事じゃないでしょ。
なんで?綺夜…悩みあるなら言ってよ!
俺たち、友達でしょ?」
湊都は優しく聞いてきて。
―『俺たち友達でしょ?』
すごく苦しい
「…ねぇ湊都」
―言っちゃダメなのに。
言っても意味ないって
わかってるのに。
「友達 って…言わないで」
私からやっと出た言葉は、そんな、意味のわからない言葉。
「…え?は!?」
そりゃ、戸惑うよね。