Glacial HEART [短編]
「…何!?湊都…ちょっと…っ!」
「…綺夜ー…」
そう言って更に強く抱き締められる。
意味わかんないよ。
どうしたの…?湊都…。
「…なんで謝んの。いつ…俺が綺夜のことフッたの。」
え……?
「チョコ…ちょうだいよ。」
私は横に首を振る。
…嫌。嫌だよ、湊都。
だって、私、湊都のこと好きなんだよ?
「なんで?」
なんで?って…
「だって…義理チョコじゃないし。さっき落としちゃったし…。私…フラれてるし」
『友達』が渡したら、義理チョコになっちゃうじゃん。
「綺夜…。」
そう言って、湊都は抱き締めていた手を緩めると、私と目を合わせる。
「俺は、綺夜のことが好きだ。だから、綺夜をフるなんてありえないし、逆に、義理チョコはいらない。」