Glacial HEART [短編]
「あ!何笑ってんの綺夜!」
「あはは…ごめん。でも、あまりにも湊都が真っ赤だから…」
「…っ!綺夜の意地悪!」
湊都が、少し俯いて、また私を抱きしめる。
今度は私も湊都の背中に手をまわして
「あはは…。でも、そんな湊都も好きだよ。チョコ…落としちゃったけど、もらってくれる?」
そう言ったら、湊都は
「…ありがとう!」
って、私の目を見てにこっと笑って言ってくれた。
その後聞いた話によると…
「ね、綺夜。好きな人の話してたのって、京とのことでしょ?」
「…うん。」
「それって…やきもち?」
「え?…ち、違うよっ!」
そうは言うものの、自分でも顔が赤くなるのが分かる。
「真っ赤だよ♪綺夜。さっきのお返し♪」
そう言って少し満足気に笑う。
「なっ…!もういいっ!湊都なんて知らないっ!」
「あはは…!でもね、綺夜。京には彼氏いるから。」
「…え!?」
「俺と仲良いんだけど…わかんないかな?」
「んー。わかんないかな…。湊都のことしか見てないし…」
って、普通に言ったら湊都が赤くなって、その後に私も、自分で言った言葉の意味を理解した。