画面の向こうに甘いKiss☆
「…あ、ありがとう。……い、行こうか」
ハッチも恥ずかしいみたいで、ちょっとテンパっている。
「…う、うん…」
お互いちょっぴりギクシャクしながらも、ライブ会場へと行く。
「…あっ」
思わず緊張しすぎて身体がふらついてしまい、ハッチの肩と私の肩が一瞬触れ合った。
「…ご、ごごめんね!」
うわー!やっちゃったよ…。
「う、ううん。大丈夫だから。気にしないで」
ハッチはピースサインをしてくれた。
サングラスとマスクで顔は見えなかったけど、多分笑いかけてくれたんだろうな…。
――やっぱり、ハッチは優しい………。
ライブ会場に入るとすごい熱気でいっぱいだった。
「あっついなー」
「うん、そうだねぇ」
少しずついつもの調子に戻っていた私達は、楽しく喋っていた。
「グラサンとマスク取ろっかな。ずっと付けててビックリしたよな?」
あ、やっと取るんだ。どうするのかと思ってた。
「本当だよー。ちょっと怪しい人かと思った」
「ごめんごめん。ドリーだけ素顔で俺だけこんなんズルいよな。今ハズすから」
そう言って、ハッチはサングラスとマスクを取る。
「俺の顔。かっこよくねーけど…ごめん!」
「……」