画面の向こうに甘いKiss☆


「ね。由芽」


急に美佳が真剣な目付きで私を見つめる。
私とは違い、二重で眼力のある美佳の瞳に、ドキっとした。


「ど…どうしたの?そんな真剣な表情で」

「自分から何も行動してないでしょ。由芽は。たまにはさ、自ら行動してみたら?」

「自ら…?」

「そう。自ら。ハッチ君の連絡先知ってるんだから、電話なり、メールなりしてみなさいよ」

「…え、でも」

「怖い。なんて言わせないから。ハッチ君だって、由芽に理由はどうあれ冷たくされても、電話してきてくれたんでしょ?今度は由芽の番じゃないの?」


――そうだ…。

ハッチも、あの時電話をしてくれた。
一週間考えたって言ってくれた。


もしかして、ハッチも電話するの怖かったのかな…?
こんな風に悩んでたのかな…?



――よしっ。

じゃあ、今度は私が勇気を出す番だよね。




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