画面の向こうに甘いKiss☆
「…由芽!?…どうしたの?」
「ごめんっ。美佳、今日はもう帰る!次の講義、出席カード出しといて!」
もう我慢出来ない。
こらえられない。
自分のぶっきらぼうな言い方に後悔しながらも、私はテーブルに1000円札を置いた。
「………え、それはいいけど…由芽!?」
美佳の呼びかけを無視し、私はカフェテラスを出て行き、大学の校門をくぐる。
あのままだと…私、美佳の前で泣いてた。
多分もう涙目だったと思う。
――それぐらい、ハッチから連絡を拒否されたことが、
すごく…ショックだった。
翌日。
美佳は何も言わず、一緒にいてくれた。
正直とっても助かった。
このまま、ハッチのこと…忘れられたらいいな。
初めて出来た男友達だと…思ってたんだけど。やっぱり…無理だったみたい。
でも、いつか、ハッチが声優として活動したら、応援することぐらい…許してくれるよね?
そして――月日は流れ、私は大学2年生になっていた。