画面の向こうに甘いKiss☆
Chat2.カフェテラス
チャットルームにも行かなくなり、
相変わらずSiderRsは大好きだけど、怖くてライブには行けなくなっていた。
「恋。恋がした~いっ!」
「美佳。急にどうしたの?」
大学生活にも慣れた私だけど、サークルには所属せず、同じく無所属の美佳とカフェテラスで喋るのがお決まりになっていた。
「課題ばっかりウザいんだよね。大学生ってもっとラクかと思ってた」
「だよねぇ~。人生甘くない」
「それにこの大学の男どもってショボイ奴らしかいないから、面白くないんだよね!」
「ちょ…ちょっと美佳!」
私は思わずカフェテラスの周りを見渡す。
……ホッ。
良かった。美佳の話聞こえてる人はいなかったみたい。
「だって、せっかく医学部、経済学部、法学部、文学部、教育学部があるマンモス大学に入ったのに良い出会いがないんだもの!」
美佳は美人でスタイルも抜群。
告白してくる男の子は多いけれど、美佳は理想が高いみたいで、断り続けているらしい。
告白すらされない私にとっては単なる贅沢者にしか思えない。