画面の向こうに甘いKiss☆
「あんまり、顔分かんないけど…多分かっこいいわよね…?」
美佳がボソっと呟く。
「うん。なんかオーラがあるもん。芸能人って感じ」
「だよねぇ。この大学来て、良かったー!私初めて思ったわ」
「……美佳ってば、もう…」
いつもはしっかりしているのに、恋愛のことになると可愛くなる美佳。
そんな美佳が私は羨ましかった。
「ねぇ…由芽…」
「ん…どうしたの?」
「なんかさ、イケメン俳優うちらの方へ向かってない?」
「…え!?」
前を見ると、さっきまで遠くにいた彼が私の前に立っていた。
私の姿を確認するように、ずっと見つめている。
「………」
しかも無言で。
「………」
周りの女の子達の冷たい視線が突き刺さる。
ひぃぃ。怖いよっ。
ってか何で私!?美佳じゃないの!?