画面の向こうに甘いKiss☆
「…み、美佳行くよ!」
「え…ゆ、由芽!?」
今度は私が美佳を引っ張って、カフェテラスとは反対側にある食堂へと連れてきた。
「……由芽、知り合いじゃなかったの?」
「まさか!知り合いなんかじゃないよ。俳優の友達なんていないし」
「……そっかぁ~。でも向こうは完璧に由芽のこと、知ってたよね」
「え~。違うでしょ。勘違いか人違いだってば」
むしろ、そうであって欲しい…。
もう男の人で嫌な思いをするのはもうコリゴリ。
せっかく築き上げた大学の人間関係をイケメン俳優なんかに潰されてたまるか!
「それにしても、いいなー。人違いでもなんでも」
「……そう?」
「見つめてもらえるなんてさ♪」
「――イケメンなんか興味ない!」
美佳の冷やかしに、ずっと否定していた私だった。
だけど、女の子の噂ってすぐに回っちゃうものみたいで。