画面の向こうに甘いKiss☆
次の日には色んな女の子から質問責めをされていた。
『どんな関係?』『彼氏?』『なんであんたなの?』『ずるい!』などなど。
そりゃあもう、思い出したくもない悪口まで影で言われちゃって。
「……ああ…」
疲れた。
みんな、あれだな。
多分私がそんなに可愛くないから、ますますムカつくんだよね……。
にしても、全くもって心当たりもないし、つながりなんてない。
ちゃんと説明したらみんなやっぱりそこは大学生なのか、理解してくれた。
「お疲れサマ。なんか…災難だったわね」
中庭のベンチに腰掛けている私に、美佳は缶ジュースをピタと頬にくっつけた。
「つめたっ」
「ほい。由芽の好きな午後ティー」
「……ありがと」
美佳の優しさが今日は妙に心に染みる。
私は缶のプルタブを引っ張り、紅茶を一口飲んだ。
……甘くて、おいしい。
「気にしたら、負けよ?」
「分かってる。ありがとね」
「うん。だったらいいの」
美佳も自分の分のジュースを飲み始めた。