画面の向こうに甘いKiss☆
私ってバカ。
ようやく点と点が線に繋がった気がした。
やっぱりおかしかったんだ。あの、デートは。
弘也くんは単に私のことを身体としてしか見てなかったんだ。
――私、そのことを見てみぬふりをしていたのかもしれない。
だって…嘘でも遊びでも、弘也くんが告白してくれたこと、嬉しかったんだもん…。
男の人に告白されるなんて今までなかったから。
だから心の底でおかしいと思っていても、私は気付かないフリをしていたんだ…。
「男慣れしてなさそうだったから、簡単に騙せられて楽だったよ、こっちも」
ズキンと胸が痛む。
まるで別人のような弘也くんに、私は全てを悟った。
「………最低」
「ふん。医学部の俺がお前みたいな女抱いてやったことだけでも感謝するんだな。
あ、そうそう。お前、一生俺の前に顔見せんじゃねぇぞ、ブス」
弘也くんはニヤリと意地悪い笑みを浮かべ、出て行った。
――こんな人が私の、初めての人だったなんて…。
目の前が真っ暗になった気がした。