画面の向こうに甘いKiss☆
「う…じゃ、お邪魔します…」
――とは言ったものの、男の人の車に乗るなんて人生始めて。
…弘也くんの時は、乗せてもらえなかったもんなぁ…。
そう思いながら、革張りの席にゆっくりと身体を沈めた。
座り心地がよくて、ちょっぴり新車の匂いが残る車内。
……なんだかそわそわしてしまう。
「何、そんなに肩縮こまらせて。緊張してるの?」
「そっ…そんなことないですっ」
「ふうん?じゃ、出発するよー」
やけに余裕ぶった態度の教授がやけに恨めしい。