画面の向こうに甘いKiss☆
「彼女は?」
マネージャーさんは教授の横にいた私を今初めて気付いたかのように視線を向けた。
「ああ。俺の教え子兼助手なの。時東由芽ちゃん」
「時東由芽です。よろしくお願いします」
私がお辞儀をすると、マネージャーさんは眉を顰めただけだった。
…え、私無礼だったかな…?
「あまり女性をJUNの傍に寄らせないでくださいね。スキャンダルになったら、全て終わりです」
そ、そういうことか…。
「分かってるって!本当に、圭ちゃんは真面目すぎだなぁ~」
私にJUNの世話役を任命しているわりに、教授は至って脳天気なご様子。
「タレントの周りをキレイにしておくのも、私の仕事です。とにかく貴女――時東さんでしたね。JUNの周りには近づかないようにしてください」
「あ……は、はい…」
彼からすごい威圧感を感じた。
…やっぱり、JUNは別世界――芸能人なんだな…。
会ったときから分かってたことだけど今更実感しちゃった。
「も~圭ちゃん、俺の可愛い教え子をビビらせないでよ。さっ、時東。せっかく来たんだし、撮影見に行こーっ!」
「え、えええ!?」
マネージャーさんの目を盗むように、教授は私の手を引っ張って、野次馬の中へと入った。
ほぼ女の子、女の子、女の子。
見事に女の子ばかりだった。