画面の向こうに甘いKiss☆




「………」

「…?」


あれ。私に気付いたのかな…。

なんか見られているような感じがする。

き、気のせい…だよ…ね…??
しかも何か怒っている雰囲気を醸し出している…?



ぐるぐる考えていると、気づけば私の足はちゃんと地面を踏んでいた。

教授がやっと下ろしてくれたみたい。


「あーっ。重かった!」


「きょ、教授っっ!!」


気にしてるのに~!


「大丈夫。俺は女の子はぽっちゃりの方が断然好み」

「むう…」


上手く誤魔化された感がある…。


「時東はご機嫌ななめだなぁ。ほら、お姫様ケーキ食べに行かないの?」

「うう……い…行きます……」

教授ははにかんだ笑顔で私の手を取る。
なんだかんだで教授って、女の人の扱い上手いな………。


そして、教授お気に入りのケーキはすっごく美味しくて、本当にほっぺが落ちそうなぐらいの味だった。
教授も楽しそうで、私も、もちろん楽しくって素敵な週末になった。



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