画面の向こうに甘いKiss☆


「へえ。お前って、とうとうおっさんに手出したんだ?」


――私の元彼、弘也くんだった。

笑い混じりに私に話しかけてくるその姿は以前より少し体格が大きくなっていて、月日が経ったことを余計感じさせる。



「何よ。私達に話しかけないで」


美佳は弘也くんを見ずに、鼻を鳴らした。


「別に俺は君に話しかけてないけど?このポッチャリに言ったんだよ」

「!!!」


会いたくない人に、話しかけられるってこんなに嫌な事だったんだ。
意地の悪い笑みで見られて、嫌味を言われて……。


何をどう言い返したら良いのか分からないよ…。



「ちょっと!!!あんた何?!もういいでしょ、どっか消えてよ!!」


美佳ちゃんが追い返そうとしても、弘也くんはニヤニヤ私を見るだけだった。


「うるさいなあ。もうちょっとぐらい、いいだろ?」


私はただただ俯くだけしか出来なかった。

会いたくなかった。

声も聞きたくなかった。
顔すら見たくなかった。


……なんで、今更私に話しかけてくるの?



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